コラム
お風呂の黒カビや壁紙の黒い点々、掃除してもすぐに再発して困っていませんか?
カビは見た目が不快なだけでなく、放置するとアレルギーなど健康に影響を及ぼす可能性もあります。
そのカビ対策がうまくいかないのは、場所や汚れに合った正しい方法を知らないからかもしれません。
本記事では、代表的な5種類のカビ用薬剤の特徴と使い方、場所別の具体的な掃除法を解説します。
ぜひこの記事を参考に、安全で効果的なカビ対策を実践してください。
カビ汚れを効果的に除去するには、薬剤の選択が肝心です。
素材や場所によって適切な薬剤が異なり、間違った選択は素材を傷める原因になります。
ここでは、以下5つの薬剤を解説します。
各薬剤の特性を理解して使い分けることで、効率的かつ安全にカビを除去できます。
もっとも強力な殺菌力と漂白効果を持つ薬剤です。
主成分の次亜塩素酸ナトリウムがカビの細胞膜を破壊し、色素まで分解します。
そのため、お風呂のゴムパッキンやタイルの目地に根付いた頑固な黒カビに絶大な効果を発揮します。
即効性が高く、短時間でカビを除去できる点が大きなメリットです。
一方で、ツンとした刺激臭が強く、使用中は十分な換気が必要になります。
酸性タイプの洗剤と混ざると有毒な塩素ガスが発生するため、取り扱いには細心の注意を払わなければなりません。
また、漂白作用が強いため色柄物の衣類や一部の素材には使えない点も覚えておきましょう。
強力な効果がある反面、注意点も多い薬剤です。
塩素系のようなツンとした臭いがなく、穏やかな効果が特徴です。
粉末タイプと液体タイプがあり、主成分の過炭酸ナトリウムがお湯と反応して酸素の泡を発生させます。
その泡の力で、汚れを素材から剥がし取るようにして落とします。
最大のメリットは、漂白力が緩やかで色柄物の衣類にも安心して使える点です。
衣類に発生してしまったカビの除去や、洗濯槽の掃除などで活躍します。
ただし、塩素系漂白剤ほどの殺菌力はなく、頑固な黒カビの色素を完全に消し去ることは難しいでしょう。
40~60℃のお湯を使うことで効果が最大限に高まるため、温度管理もポイントになります。
安全性が高く、幅広い用途で使える便利な洗浄剤です。
殺菌効果に優れたアルコールの一種です。
カビのタンパク質を破壊して無力化する働きがあります。
漂白作用はないためカビによる黒ずみは消せませんが、カビそのものを殺菌するのに有効です。
大きなメリットは、揮発性が高く水拭きがしにくい場所にも使える点です。
木製の家具や畳、壁紙といったデリケートな素材のカビ除去に適しています。
また、掃除後の仕上げにスプレーすることで、カビの再発防止にも役立ちます。
ただし、引火性があるため火気の近くでの使用は必ず避けてください。
カビの殺菌と予防の両面で活躍するアイテムですが、カビの色素沈着を落とす目的には向いていません。
環境や人体に優しいナチュラルクリーニングの代表格です。
重曹はアルカリ性で、研磨作用によりカビを物理的にこすり落とす効果が期待できます。
水と混ぜてペースト状にすれば、壁やゴムパッキンに塗りやすくなるでしょう。
一方、酸性のクエン酸には、カビの繁殖を抑える静菌効果があります。
水に溶かしてスプレーボトルに入れれば、手軽なカビ予防スプレーとして使用可能です。
どちらも安全性が高く、小さな子どもやペットがいるご家庭でも安心して使えます。
ただし、塩素系漂白剤のような強力な殺菌力や漂白効果はありません。
ごく初期の軽いカビや、安全性を最優先したい場合に適した選択肢です。
食器用洗剤などに使われる中性洗剤は、カビのエサとなる皮脂や石鹸カスといった汚れを落とすのに役立ちます。
カビそのものを殺菌したり、黒ずみを漂白したりする効果は期待できません。
しかし、ほとんどの素材にダメージを与えることなく使えるため、カビ掃除の「前処理」として重要です。
カビ取り剤を塗る前に、まず中性洗剤で表面の汚れを洗い流しておきましょう。
これにより、カビ取り剤がカビに直接浸透しやすくなり、効果を最大限に引き出せます。
カビの栄養源となる汚れを定期的に取り除くことは、効果的なカビ予防にもつながります。
カビを直接退治するのではなく、カビの発生を防ぐ環境を作るための洗浄剤です。
カビ掃除は、ときに強力な薬剤を使用するため、正しい知識を持って安全に行うことが肝要です。
ここでは、カビ掃除を始める前に必ず徹底すべき5つの注意点を紹介します。
事前に理解して、安全かつ効果的なカビ掃除を実践してください。
洗剤を混ぜることは、もっとも危険な行為の1つです。
とくに塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜると、有毒な塩素ガスが発生して命に関わる事故につながります。
市販品には「まぜるな危険」の表示がありますが、これは決して大げさな警告ではありません。
実際に浴室で洗剤を混ぜて意識を失った事例も報告されています。
異なる洗剤を使う場合は、必ず前の洗剤を完全に洗い流してから次の洗剤を使用してください。
時間を空けることも大切で、最低でも1時間以上の間隔を設けることが安全です。
カビを落とそうと力任せにこすることは、素材を傷める原因になります。
とくに壁紙やフローリングは、表面のコーティングが剥がれると修復が困難です。
ゴシゴシこすることで、カビの胞子が舞い上がり、かえって被害を拡大させる危険性もあります。
正しい方法は、薬剤の力でカビを分解させることです。
薬剤を塗布して指定時間待つことで、力を入れずに除去できます。
どうしてもこする必要がある場合は、柔らかい布やスポンジを使い、円を描くように優しく拭き取ってください。
素材を守りながら確実にカビを除去することが、長期的な建物保全につながります。
水拭きだけでカビ掃除を終えることは、新たなカビの発生を招く最大の原因です。
カビは水分を栄養源として繁殖するため、濡れたままの状態は格好の繁殖環境となります。
表面上はきれいに見えてもカビの根は残っており、水分を得て再び活性化してしまいます。
正しい対処法は、カビ取り剤や除菌剤で根本から除去したあと、完全に乾燥させることです。
扇風機やドライヤーを使って強制的に乾燥させるのも効果的です。
とくに梅雨時期は自然乾燥が難しいため、除湿器の併用も検討してください。
完全な乾燥こそが、カビの再発防止の決め手となります。
掃除機でカビを吸い取ることは、必ず避けるべき行為です。
掃除機の排気によってカビの胞子が部屋中に拡散し、新たな繁殖場所を作ってしまいます。
フィルターを通過した微細な胞子は、空気中を浮遊して家具や衣類に付着します。
健康な人でもアレルギー症状を引き起こすかもしれません。
カビが生えた場所は、まず湿らせた布で優しく拭き取るのが基本です。
どうしても掃除機を使う必要がある場合は、カビを完全に除去して乾燥させたあとに使用してください。
HEPAフィルター搭載の掃除機ならある程度の胞子は捕集できますが、それでも直接吸い取ることは避けるべきです。
カビ取り作業での換気と防護具の着用は、健康を守るもっとも肝心な対策です。
窓を2か所以上開けて空気の通り道を作り、換気扇も併用することで薬剤の刺激臭やカビの胞子を外に逃がせます。
マスクは必須で、できればN95規格のものが理想的です。
ゴム手袋で皮膚を保護し、ゴーグルで目への薬剤飛散を防ぎます。
これらの防護具は100円ショップでも購入可能です。
作業後は必ず手洗いとうがいを行い、着用した衣服も洗濯してください。
子どもやペットは別室に移動させ、作業後も1時間は立ち入らせないことが大切です。
カビは発生場所によって種類や根の深さが異なるため、場所に応じた対処が必要です。
ここでは、以下8つの場所について具体的な方法を紹介します。
各場所の特性を理解して、効果的にカビを除去しましょう。
▼外壁のカビについて詳しく知りたい方はこちら
外壁カビが発生する5つの原因と放置した場合の4つのリスクを解説
浴室は家の中でもっともカビが発生しやすい場所で、とくにゴムパッキンの黒カビは除去が困難です。
塩素系漂白剤を使用し、スプレー後はキッチンペーパーでパックすると効果的です。
さらにラップで覆うことで薬剤の蒸発を防ぎ、浸透力を高められます。
天井のカビは、フロアワイパーにキッチンペーパーを巻き付けて薬剤を塗布すると安全に作業できます。
エプロン内部は年2回程度取り外して清掃することで、見えないカビの繁殖を防げるでしょう。
タイル目地は古い歯ブラシで優しくこすり、最後は50度以上のお湯で洗い流すとカビの再発を抑制できます。
作業時間は、30分から1時間程度が目安です。
シンク下は、まず収納物をすべて取り出し、塩素系漂白剤で除菌したあと、完全に乾燥させることが大切です。
排水口のぬめりは、重曹を振りかけてからクエン酸スプレーで発泡させると効果的です。
キッチンは食品を扱う場所なので、作業後は薬剤を完全に洗い流してください。
洗濯槽には酸素系漂白剤が有効ですが、金属の黒ずみや傷みの原因となるため6時間以上の漬け置きは避けましょう。
ドラム式洗濯機には酸素系漂白剤は泡立ちすぎてセンサーが誤作動を起こす可能性があるため、塩素系漂白剤を使用することが推奨されています。
定期的な換気扇の使用と、使用後の水気の拭き取りが予防につながります。
ビニールクロスなどの壁紙の軽度なカビは、ティッシュに含ませた消毒用エタノールで拭き取れます。
エタノールで拭いたあとは、扇風機で乾燥させましょう。
ただし、直接スプレーするとカビの胞子が舞い上がる可能性があるため、注意が必要です。
布・紙製の壁紙は自分でカビ掃除することが難しいため、市販の専用カビ掃除洗剤の使用を検討しましょう。
作業前に必ず目立たない場所でテストを行い、変色や損傷がないか確認してください。
賃貸物件の場合は、事前に管理会社へ相談することで後のトラブルを避けられます。
カビが壁の内部まで侵食している場合は、表面処理では対処できないため、専門業者への依頼がおすすめです。
窓サッシは結露によるカビが発生しやすく、放置するとカーテンにも被害が広がります。
アルミサッシは中性洗剤で、ゴムパッキンは塩素系漂白剤で処理するのが基本です。
結露は朝一番に拭き取る習慣をつけることで、カビの発生を大幅に抑制できます。
カーテンにカビが発生した場合、洗濯可能なものは酸素系漂白剤で浸け置き洗いします。
洗えないカーテンは、エタノールをスプレーして天日干しすることで対処可能です。
冬場は結露防止シートの使用も効果的です。
定期的にサッシのレールも掃除することで、カビの栄養源となる汚れを除去できます。
月1回の清掃で、窓周りを清潔に保てるでしょう。
エアコンのカビは、冷房使用時に部屋中に胞子をまき散らす危険があります。
フィルターは1ヶ月に1回ほどを目安に掃除し、完全に乾燥させてから装着。
吹き出し口の黒い点は、エタノールを含ませた綿棒で丁寧に拭き取ります。
エアコン用洗浄スプレーは、家電メーカー非推奨であり、故障するリスクなどもあります。
そのため、使用には注意し、フィルターや吹き出し口以外の内部清掃は専門業者に依頼するのがもっとも安全で確実です。
定期的なメンテナンスは、カビの発生を抑えるだけでなく、エアコンの効率維持にも役立ちます。
押入れとクローゼットは換気不足でカビが発生しやすい場所です。
まず収納物をすべて出し、エタノールで全体を拭いて除菌します。
押入れやクローゼットの木材にカビが生え、エタノールで拭き取れない場合は、紙やすりで表面を軽く削ってから再度エタノールで拭き取ります。
衣類にカビが付着していたら、種類に応じて洗濯方法を変えなければなりません。
除湿機や除湿剤を活用して、湿度管理を意識することがカビ予防につながります。
不用品を処分し、物を詰め込みすぎないようにして通気性を確保することが大切です。
季節の変わり目には、必ず全体的な換気と清掃を行いましょう。
畳のカビは、エタノールをスプレーして乾いた布で畳の目に沿って拭き取るのが基本です。その後、風通しのよい日陰で乾燥させるか、畳表面を裏返して3~4日ほど乾燥させます。
フローリングは、ワックスやコーティングを傷めないよう中性洗剤で優しく拭きます。
仕上げにエタノールを使用する場合は、目立たない場所で試してから、水分が残らないように速やかに拭き取って乾燥。
どちらも水分を残すとカビの再発につながるため、扇風機での乾燥が効果的です。
畳は定期的に布団を上げて乾燥させ、フローリングはこまめな掃除と換気でカビを予防しましょう。
家具の下も定期的に確認し、湿気がこもらないよう配置を工夫することも大切です。
綿やポリエステルの衣類のカビは、酸素系漂白剤が使用可能です。
製品の指示に従って使用し、通常の洗濯で除去します。
ウールやシルクなどのデリケートな素材は、クリーニング店への依頼が安心です。
布団のカビは、まず表面のカビを水で湿らせたキッチンペーパーで拭き取り、重曹水をかけて5分ほど放置し、スポンジで撫で洗いします。
その後、消毒用エタノールをたっぷりとかけ、水分を取り除いて半日ほど陰干しで乾燥させましょう。
布製品の保管時は、湿気がこもらないように通気性を確保し、定期的に換気や乾燥を行うことがカビ予防につながります。
カビ汚れの除去には、適切な薬剤選びと正しい作業手順が欠かせません。
しかし、広範囲のカビや何度も再発する頑固な汚れ、高圧洗浄機でも落ちない外壁の汚れなどは、自力での対処に限界があります。
ビカンテックの「ビカン工法」では、特殊洗剤を用いてカビや汚れを根元から除去します。一般的な漂白とは異なり、カビを根元から死滅させるため衛生的で、防カビ・防菌処理により美観が長持ちするのが特徴です。
素材を傷めることなく、環境にも配慮した施工方法で、リフォームより低コストで対応可能です。
まずはお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
平田愼二Hirata Shinji
株式会社ビカンテック
営業部
プロフィール
2010年よりビカンテック加盟店募集営業・加盟店の開業支援、数多くの加盟店との連携を取りながら営業・施工応援に従事。
日々加盟店の売上実績に貢献できるよう活動している。
洗浄施工実績多数。
©2010 becantec Co.,Ltd.