コラム
外壁メンテナンスの適切な時期を見極めることは、住宅の資産価値を守るうえで大切です。
しかし、いつメンテナンスすべきか判断に迷う方も多いのではないでしょうか。
実は外壁は明確な劣化サインを示しており、これらを見逃すと修繕費が膨らむ可能性があります。
本記事では、外壁メンテナンスが必要な5つの劣化サインと、サイディングやモルタルなど外壁材別のメンテナンス時期の目安を解説します。
ぜひ本記事を参考に、大切な住まいの外壁管理計画を立ててください。
外壁メンテナンスを怠ると、住宅の寿命が大幅に短くなるだけでなく、生活環境にも深刻な影響を及ぼします。
適切な時期にメンテナンスを行うことで、建物を長期間良好な状態に保つことが可能です。
ここでは、以下4つの理由を解説します。
それぞれ見ていきましょう。
定期的なメンテナンスは、建物の寿命に直接影響する雨漏りを未然に防ぎます。
外壁の塗装やシーリングは、建物を雨水から守る防水の役割を担っています。
しかし、紫外線や風雨の影響でこれらが劣化すると、ひび割れなどが発生。
その隙間から雨水が浸入し、建物の内部にある柱や断熱材を腐食させてしまいます。
構造部分が傷むと、建物の耐久性が著しく低下し、大規模な修繕が必要です。
適切な時期の補修は、建物を健全な状態に保ち、安心して長く住み続けるための秘訣となります。
外壁は「家の顔」ともいえる部分であり、その美観は資産価値に大きくかかわります。
色あせや汚れ、カビが発生した外壁は、古く管理が行き届いていない印象を与えるでしょう。
これは、将来的に不動産を売却する際の査定額に影響する可能性もあります。
きれいな外観は、住む人の満足度を高めるだけでなく、社会的な評価にもつながります。
周辺の住宅がきれいな環境では、一軒だけ汚れていると悪目立ちするかもしれません。
定期的なメンテナンスで新築時のような美しさを取り戻すことは、大切な資産を守るうえで有用です。
適切な時期のメンテナンスは、一見すると出費に思えますが、長期的には総コストを抑えるもっとも経済的な選択です。
たとえば、コーキングの小さなひび割れは、数万円の補修で済む場合があります。
しかし、これを放置して雨漏りが発生すると、外壁の張り替えや内部の修繕が必要になります。
その結果、修理費用が100万円を超えてしまうケースも少なくありません。
これは「予防医療」と同じ考え方です。
計画的なメンテナンスは予期せぬ高額な出費を防ぎ、家計の安定にもつながる賢明な判断といえるでしょう。
外壁の劣化は建物の問題だけでなく、そこに住む人の健康に悪影響を及ぼす危険性もはらんでいます。
外壁に発生したカビやコケは、見た目が悪いだけではありません。
これらの胞子が室内に侵入すると、アレルギー性鼻炎や気管支ぜんそくなどを引き起こす原因物質になることがあります。
とくに、小さな子どもや高齢のご家族がいる場合は注意が必要です。
壁の内部に湿気がこもることで、シロアリなどの害虫やカビが繁殖しやすい環境も生まれます。
家族の健康を守るという観点からも、外壁を清潔で健全な状態に保つことは大切です。
外壁メンテナンスの適切な時期は、年数だけで判断するものではありません。
ご自宅の外壁に現れる「サイン」を見逃さないことが何よりも肝心です。
専門家でなくても、普段から状態を意識することで、劣化の初期症状に気づけます。
ここでは、ご自身で確認できる代表的な劣化サインを5つ紹介します。
これらのサインを発見したら、専門家による詳しい診断を検討しましょう。
外壁を手で触った際に、白い粉がつく現象は「チョーキング」と呼ばれます。
これは、塗料の防水効果が切れ始めていることを示す初期の劣化サインです。
塗料は、顔料や樹脂などが結合して膜を作っています。
長年の紫外線や雨風により、この樹脂が分解されて顔料が粉状になって表面に現れます。
チョーキング現象自体が、すぐに雨漏りを引き起こすわけではありません。
しかし、塗膜が本来の性能を失い、外壁材を保護する力が弱まっている証拠です。
この状態を放置すると、外壁材そのものが水分を吸収しやすくなり、さらなる劣化につながります。
サイディングなどパネル状の外壁材では、つなぎ目を埋めるゴム状の「シーリング(コーキング)」が重要です。
この部分にひび割れや肉やせ、剥がれが見られる場合は注意が必要です。
シーリングは、パネル間の隙間から雨水が浸入するのを防ぐ防水の役割を担っています。
地震などで建物が揺れた際に、パネル同士がぶつからないようにする緩衝材の役目も果たします。
このシーリングが劣化すると防水機能が失われ、雨漏りの直接的な原因に。
外壁塗装よりも先に、このシーリング部分が寿命を迎えることも多いため、定期的な確認が欠かせません。
外壁材そのものに、ひび割れ(クラック)や反り、浮きが見られる場合は劣化が進行しているサインです。
ひび割れの幅が0.3mmを超える「構造クラック」は、建物の構造に影響を及ぼす可能性があり危険です。
このような大きなひび割れは、雨水の浸入経路となり、内部の腐食を引き起こす原因となります。
サイディングボードの反りや浮きは、熱や湿気の影響で発生します。
ボードが変形すると、その隙間から水が入りやすくなるだけでなく、強風などで剥がれ落ちる危険性も。
これらの症状は、塗装だけでは補修できないため、早めに専門家に相談してください。
外壁の塗装が水ぶくれのように膨れていたり、パリパリと剥がれていたりする症状は、塗膜の密着性が失われている証拠です。
塗膜の膨れは、塗装と外壁材の間に湿気や空気が入り込むことで発生します。
これは、前回の塗装時の施工不良か、外壁材の内部から水分が蒸発していることが原因と考えられます。
塗膜の剥がれは、劣化がかなり進行した状態です。
剥がれた部分は、外壁材がむき出しになっており、雨や紫外線のダメージを直接受けてしまいます。
この状態を放置すると、外壁材の劣化が急速に進むため、早急な塗り替えメンテナンスが必要です。
日当たりの悪い北側や湿気の多い場所に、緑色や黒色のカビ・コケが広範囲に発生している場合も劣化のサインです。
新築時の外壁には、防水性や防カビ・防藻性の高い塗料が使われています。
しかし、経年劣化で塗膜の防水性が低下すると、外壁が水分を含みやすくなり、カビやコケが繁殖する原因となります。
軽度な汚れであれば、洗浄で落とせる場合も。
しかし、広範囲にわたる発生は外壁が常に湿った状態にある証拠であり、建物の内部にまで湿気が影響を及ぼしている可能性も考えられます。
美観を損なうだけでなく、建物の耐久性にもかかわる問題です。
▼外壁カビが発生する原因について詳しく知りたい方はこちら
外壁カビが発生する5つの原因と放置した場合の4つのリスクを解説
劣化サインの確認とあわせて知っておきたいのが、外壁材そのものの寿命です。
外壁材にはさまざまな種類があり、それぞれメンテナンスを検討すべき時期が異なります。
年数だけで判断するのは危険ですが、目安として把握しておくことは大切です。
ここでは、よく使われる5つの外壁材について、メンテナンス時期の目安を解説します。
これらの目安を参考に、ご自身の家のメンテナンス計画を立てましょう。
窯業系サイディングは、現在の日本の戸建てでもっとも普及している外壁材です。
メンテナンスは、7年から15年を目安に検討するのが一般的です。
セメントを主成分とし、デザインが豊富で耐火性に優れるのが特徴といえます。
しかし、素材自体は水を吸収しやすいため、表面の塗装による防水機能が肝心です。
この塗装が劣化すると、サイディングボードが水分を含んで反りやひび割れを起こしやすくなります。
パネルのつなぎ目を埋めるシーリングは、塗装よりも早く劣化するため、7年から10年での点検・補修がおすすめです。
金属系サイディングは、軽量で断熱性や防水性に優れる人気の外壁材です。
メンテナンスは、10年から15年を目安に行うのがよいでしょう。
ガルバリウム鋼板などが代表的で、モダンな外観を演出可能です。
素材自体はサビに強いですが、表面に施された塗装が劣化すると防水性が低下します。
物が当たるなどして表面に傷がつくと、そこからサビが発生し、穴が開いてしまうことがあります。
サビは一度発生すると広がりやすいため、傷や塗膜の剥がれを見つけたら早めに補修することが大切です。
樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂を主成分とする耐久性の高い外壁材です。
メンテナンス時期は10年から30年と、ほかの外壁材に比べて長めです。
素材自体に色が練り込まれているため、塗装が剥げるという心配がありません。
水をほとんど吸収しないため、ひび割れや凍害にも強いのが特徴です。
そのため、塗装によるメンテナンスは基本的に不要とされています。
ただし、つなぎ目のシーリングを使用している場合は、その部分が10年ほどで劣化します。
強い衝撃で割れてしまうこともあるため、台風のあとなどは点検が必要です。
モルタル外壁は、職人が手作業で仕上げる独特の風合いが魅力の外壁です。
メンテナンスは、ひび割れが発生しやすい8年から10年を目安に対策が必要です。
サイディングと違ってつなぎ目がないシームレスな壁を作れます。
しかし、乾燥や建物の揺れによって、表面に「クラック」と呼ばれるひび割れが発生しやすいのが弱点です。
小さなひび割れでも、放置するとそこから雨水が浸入し、内部の鉄筋を錆びさせたり、雨漏りの原因になったりします。
定期的にひび割れの有無を確認し、症状が軽いうちに補修することが建物を守るうえで欠かせません。
タイル外壁は高級感があり、傷や汚れに強い優れた耐久性を持つ外壁材です。
タイル自体は30年以上持ちますが、目地の補修は10年を目安に行う必要があります。
タイルは粘土などを高温で焼き固めたもので、塗装による防水を必要としません。
しかし、タイルとタイルの隙間を埋める「目地(めじ)」や、つなぎ目のシーリング部分は、経年で劣化してしまいます。
この目地が痩せたりひび割れたりすると、そこから雨水が壁の内部に浸入します。
タイルだからといって安心せず、目地の状態を定期的にチェックすることが賢明です。
外壁メンテナンスの適切な時期を見極めることは、住宅の資産価値を守り、家族の健康と安全を確保するために欠かせません。
チョーキング現象やひび割れなどの劣化サインを早期に発見し、外壁材の種類に応じた適切なタイミングでメンテナンスを実施することが肝要です。
ビカンテックの「ビカン工法」では、特殊洗剤を利用してカビを根元から除去し素材を傷めることなく
美観を復元し、ガラスコーテイングで長期間きれいな状態を保つことが可能です。
素材を傷めることなく美観を復元し、防カビ・防菌処理により長期間きれいな状態を保つことが可能です。
リフォームや塗装の前段階として、まずは外壁クリーニングから始めてみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者
平田愼二Hirata Shinji
株式会社ビカンテック
営業部
プロフィール
2010年よりビカンテック加盟店募集営業・加盟店の開業支援、数多くの加盟店との連携を取りながら営業・施工応援に従事。
日々加盟店の売上実績に貢献できるよう活動している。
洗浄施工実績多数。
©2010 becantec Co.,Ltd.